みなさんなじらね。さんにんにちです。今回は「食べたい!」気持ちについてのひとりごとです。
拒食症になって自分の「食べたい!」が分からなくなった
高校時代に拒食症になってから、自分ルールで自分に制限をかけてきた。自分ルールとは、主に食べることや痩せた状態を維持することについて自分で作った決まりで、例えば「1回の食事には30分以上かける」「1日の摂取カロリーは〇kcalまで」「食事と食事の間は3時間以上あける」「卵は1日1個まで」「毎日8000歩以上歩く」といったもの。一度決めたら絶対に守らなければならないという強迫観念に陥り、他に優先してやるべきこと(急ぎで仕上げなければならない勉強や仕事)があったり、体調が悪かったりしてもルールを破ることはできなくなっていた。
そうやって自分を縛り付けているうちに「食べたい!」という気持ちが分からなくなってしまった。お店でメニュー表を見た時、夕食の買い物のためにスーパーに行った時、友達とカフェに入って注文する時、真っ先に頭に浮かぶのはカロリーや糖質、脂質のこと。あるいは「この後、○○を食べる予定だから、今は控えめにしておかなきゃ」「昨日は○○を食べたから似たものを食べたら栄養が偏るな…」といったバランスのこと。今、自分がそれを食べたいかどうかは二の次で、栄養面や量、前後の食事とのバランスを考えた時に自分ルールに当てはまっているかどうかが最優先。要するに食べることについての行動や選択のすべてが自分ルールに支配されていたのだ。
「食べたい!」と思ったその気持ちを最優先したい
拒食症克服を目指して体重を増やし始めてからは、自分が「食べたい!」と思ったその気持ちを大切にしようと心掛けるようになった。
例えば、ときどきネットやSNSで見かける「チョコレートを無性に食べたくなったらマグネシウム不足の可能性があるから、ホウレン草やブロッコリーを食べよう」とか「揚げ物やジャンクフードを食べたいのはカリウム不足だから、昆布やひじき、キウイ、バナナを食べましょう」「甘いものが食べたいのはタンパク質不足かも。肉や魚、大豆製品を!」などといった情報。
以前の私だったら「そうか、甘いものを食べたくなったら、タンパク質が不足しているのだから、代わりに豆腐を食べて、甘いお菓子は我慢しよう」と考えただろう。でも、今は「いやいや、栄養のことも大事かもしれないけれど、私は今、甘いものが食べたいのだから、とりあえず好きなお菓子を食べよう。そのうえで、今度から食事ではタンパク質も多めに摂るようにちょっとだけ意識してみよう」と思うようになった。
また、YouTubeでついつい見てしまうのが「生理前の爆食」や「ダイエット中のチートデイ爆食」といった大食い動画。正直、ごちそうを食べる時は「生理前で食欲が増しているから」とか「今日はたくさん歩いたから」と自分に言い聞かせて罪悪感を減らそうとしたくなることもある。でも、本来は食べることにそんな言い訳なんていらないはず。「食べたい!」という気持ちさえあれば、それは食べるのに十分な理由なのだ。そのことを忘れないようにしたい。
拒食症克服を目指し体重を増やしていくなかで、それまで無視し続けたせいで聞こえなくなってしまった「食べたい!」という心とからだの声が、少しずつ聞こえるようになってきた。とはいえ、まだまだ今の私にとってその声が聞こえる瞬間は貴重なもの。だからこれからも聞き逃さないよう、しっかり耳を傾けていきたい。
コメント