みなさんなじらね。さんにんにちです。
今回は拒食症を経験してよかったことについて書いていきます。
人との距離の保ち方を覚えた
もともと負けず嫌いな性格の私は、常に他人と自分を比べていました。特に拒食症になってからは、家族と自分の食べる量を比べて少しでも自分が多ければパニックになり、友達がその日ご飯を食べていないと知れば負けじとご飯を我慢し、食事会の席では自分が人より多く食べていないか気にしてばかりでした。
でも、拒食症克服を目指して考え方を変えようと意識し始めてから「他人は他人、自分は自分」と割り切れるようになりました。他人には他人の、自分には自分の価値観や体質、性格、状況があり、それぞれ同じ土台で比較することはできません。考えてみれば当たり前なことですが、拒食症克服を通して改めて意識することで(食べることに関わらず)他人と比べて落ち込むことが減り、気持ちが楽になりました。
ちなみに「他人は他人、自分は自分」という考え方については以下で詳しく書いています。
つらいことがあっても乗り越えられる自信がついた
拒食症がひどかった高校時代は、精神的にも身体的にもつらい日々の繰り返しでした。自分でも太らなければと思うのに、いざとなると食べるのが怖い。でもいつも食べ物のことで頭がいっぱいで他のことに集中できない。家族にこれ以上心配や迷惑をかけたくないのに、食べさせられそうになると反発してしまう。周りの目が気になって仕方がない。他人と比べずにはいられない。自分ルールから抜け出せなくて苦しい。痩せてガリガリな体でも、食べ物のことでいっぱいの頭でも、部活と勉強は頑張り続けなければいけない。1つでもサボったら自分がダメになる気がして休めない。こんな地獄みたいな日々がこれから一生続くのか、と生きていくのが嫌になることもたくさんありました。
でも、拒食症を克服しつつある今となっては、そんなつらい経験を乗り越えたことが自信につながっています。
「今後もしまた拒食症が出てきても、私なら大丈夫。きっと乗り越えられる。」
「これからつらいことがあっても、あの時のように自分を見失ったりしない。」
「あれだけ苦しい思いをしたのだから、これからは自分の幸せのために生きていいんだ。」
というように、何事も前向きに考えられるようになりました。
周囲への感謝と思いやりの心を持てるようになった
拒食症の頃は「頭の中は食べ物のことでいっぱいなのに、食べることが怖い」という複雑な感覚を、なかなか周囲に理解してもらえず悩んでいました。一般的には太ることよりも痩せることの方が難しく、食べることを拒むのは「痩せたいから」だと思われがちです。さらに拒食症のように痩せすぎてガリガリの状態なのに食べようとしなければ「死のうとしている」と思われてしまうこともあります。そのため、周囲の人たちからの言葉に傷つくこともありました。
ただ、そんな中でも、私のことを信じてくれた人たちはいました。私がどんなに痩せても、逆に体重が増えても、変わらず一緒にいてくれたのです。その存在は私の拒食症克服を決意するきっかけとなり、その後も克服を継続するための大きな支えになりました。拒食症になっていなかったら、彼らの存在がこんなにもありがたいものだと気付けなかったかもしれません。これからも、私は私を信じて愛してくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れず、大切にしていきたいです。
また、他人に理解されず傷ついたことで、自分も他人を外見で判断したり、自分の価値観を押し付けたりしないようにしようと思うようになりました。もちろん、あくまで「他人は他人、自分は自分」なので他人を完全に理解することはできません。それでも「私が『食べる』という、普通の人にとっては当たり前のことが怖くてできなかったように、自分が当たり前だと思っていることがこの人にとってはすごく難しいことなのかもしれない」と考えることで、思いやりの心を持って周囲と関われるようになりました。
拒食症の時に人から言われて傷ついた言葉については以下にも書いています。
まとめ
正直なところ、拒食症がひどかった高校時代を思い出すと息が苦しくなってしまうくらいですから、拒食症自体は「経験して良かった!」と断言できるものではないです(笑)。
ただ、その経験が今の自分の前向きな思考や楽な生き方のヒント、自信、そして大切な存在への気づきにつながっていると思うと、普通とはちょっと違う生き方ができてラッキーだったのかな、と思ったりもします。
とはいえ、私も拒食症を完全に克服したわけではなく、何かのきっかけで再発する可能性は大いにあります。また当然のことながら、今後の人生においては拒食症とは別の困難にも直面するでしょう。そんな時、拒食症のつらかった経験やそこから得た知識、考え方、気づき、自信をヒントにできたらと思います。
そして、この記事が少しでも拒食症克服を目指すみなさんの力になれば幸いです。
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